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窓の向こうには芝生の豊かな庭があって、そこで子供達が賑やかに遊んでいる。
ああ元気だなと眺めていると、いつの間にか隣にあなたが並んで腰かけている。
微笑みながら、手には何か飲み物が入ったカップをふたつ持って。
それはたぶん私が好きな飲み物。
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引越しの時に荷物の整理をしていて、夫の若い頃の日記を見つけてしまったことがあった。
ちょっとだけ、と開いてみると、毎日の文章の終わりには必ず私の明日の無事を祈ってくれる言葉が書いてあって、それを見た瞬間涙がぼろぼろとこぼれ出て、嗚咽して止まらなくなった。
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b-flowerの「純真」をかけると、きまってこのふたつの光景が思い浮かぶ。
若い頃は、何か形のあるものが欲しくて必死だった。
わかっているふりばかりしていて、今思えばとてもかっこわるいものだった。
かっこわるかったなぁ、と懐古できるくらいの年月が経ち、
形のないものこそ尊いのかも、と思うようになった。
私にも、大切な人が少しだけど周りにはいて、
その人たちを想うたびこれが「純真」なのじゃないかなと感じている。
若い頃聴いていた八野さんの声は、
ぎゅうっと胸の中をねじるような苦しさや悲しみを感じたけれど
(ごめんなさい。でもそれに共感していました)
今はとてもやさしくて、ほんとに隣にふわっとあるような、そんな静かで心地よい声。
年月を経て、いろいろなことを経験されてきたからこその歌声なのだろうなと思う。
やさしいけれど、力強い。
「純真」には、そんな新しいb-flowerが静かに溢れているような気がしてならない。
あに